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カテゴリー: ネタ

【後編】友達10数人とキャンプ行った時の話

友達数十人と地元を出発した僕たち。
事故に見舞われたり、長旅の末精神状態がおかしくなったりしながらも、なんとか長野県にあるキャンプ場に到着する。
彼らを待ち受ける運命とは…?!

前編はこちら

 

 

 

 

 

 

パーティー開始

なんやかんやあって長野県のキャンプ場に到着したのは午後二時くらい。
僕たちの他にも2つほ先客が居て、ボーイスカウトみたいな団体ともう1つは家族連れだった。

キャンプ場に到着した僕たちが思った事、それは一つ。

 

「アブが多すぎる」

 

どこを見渡してもアブが飛び交っている。ブンブンブンブンうるさい。HIKAKINは子供を笑顔にするけど、アブは僕らを不機嫌にするだけだ。
特にイケメンのアメリカは大の虫嫌いで、「ヒェ~!もう俺マジ無理、ほんと無理、あぁあ゛~~~~!!!」とか言って発狂していた。
そこで僕は機転を利かして、「アブって煙草の煙嫌いらしいよ!」とそれっぽい情報を吹き込み、それを聞いたアメリカは「マジで?!金丸サンキュ!たすかった!」とか言って煙草を立て続けにアホ吸いしていた。心は痛まなかった。

 

それから僕たちはテントを設営しはじめた。
jyoがテントを忘れてきてしまったので、僕となおT、脳筋の醤油の三人はキャンプ場から借りたクソでかテントに三人で寝ることになった。

テントの設営が済んだのは午後3時くらいだったが、僕たちは早速酒を飲み始めた。このだらしなさが我ら”golden_stones”である。

特にYすけは早々に酔っぱらって、「ウェ~イ!!俺100m5秒で走りま~す!!」とか言って20mくらいを全力疾走していた。情けないにもほどがある。

酔いが回ってきたところで、持ち寄った食材を使ってバーベキューを始めた。
正直、何を作ったのか、何を食べたのか覚えてない。ただ一つ覚えているのが、カレーを作ったはいいけど誰かがふざけて醤油の持ってきた自家製醤油をブチ込んだため、意味不明な味になってしまったということだけ。

濃口入れんなや。せめて薄口なら隠し味にもなったかもしれんのに。

そのカレーは不味くて食えたもんじゃなかったが、唯一ベロベロに寄っていたYすけだけは「美味い!美味い!」と絶賛して貪り食っていた。
Yすけとの付き合いは長いけど、正直あの姿は不気味だった。TAKUに至ってはドン引きしていた。

 

僕は酒にとても弱く、調子こいて飲みすぎるとひどい頭痛に見舞われる。
飯もそこそこ食い終わった僕はいつも通り頭痛に見舞われ、耐えきれず自分の車の中に避難した。
この頭痛が起きると、人の声や環境音がやたらと脳に響き辛いのだ。とにかく喧騒から逃れたかった。

 

 

 

 

 

夜の訪れ

目を覚ました僕は、とりあえず車の外に出た。空気がとても澄んでいて、肺が潤うような感覚だったのをよく覚えている。
時間は確か、8時くらい。あたりはすっかり暗くなっていて、テントを設営していなかった奴らもちゃんと思い思いの場所にテントを立てていた。

そして、Bショウこと”神引き”が、中央でたき火をしている。
彼はしきりに「おい火を絶やすな!交代で火の番するぞ!」と張り切っていた。中二病がまだ抜けないのだろう。
みんなはそんな神引きを冷ややかな目で見つつも、薪を入れるのは怠らなかった。というか、暇だった。

そのうちBショウが大声でアニソンを歌い始め、美声なのでみんな特に止めもせず聞き入っていたがjyoの「うるせぇ!ほかの人も居ること考えろ!」という至極もっともな意見に一喝されて止んだ。

そのうち、風の流れが変わり、たき火の風下にテントを設営した茸が燻されて死にかけていた。
「おい!ふざけんな!窒息する!死ぬ!死ぬゥゥウ!!」とか言ってて、TAKUは大爆笑していた。なんで彼はいつも貧乏くじを引いてしまうのか。

普通に考えたら、テントに居るところを煙で燻されるなんて、人生で経験している人は少ないんじゃないだろうか。
「火がまわってくる!死ぬゥ!」とかも言ってて、申し訳ないけどマジで笑った。

 

そのうち騒ぎも止み、就寝の時間となった。

僕となおTと醤油の三人は文字通り川の字になって眠った。
とはいえ、夜はびっくりするほど寒い。15度くらいだろうか。
僕は半そで短パンの出で立ちだったので寒くてなかなか寝付けず、ずっと寝返りを打っていた。

外は大雨になっていて、なんだか不気味だったのをよく覚えている。アメリカのホラー映画だったら殺人鬼とか出てきそうな雰囲気だ。

醤油の、微動だにしない異様とも言える寝相を見ながら、そのうち僕は眠りについた。

 

 

 

起床

どんなクソどもの前にも、朝は平等にやってくる。自然とは寛容なものである。

僕たちは7時頃に起きて歯を磨き、顔を洗ってからテントを畳み始めた。
唯一、朝にクソほど弱い神引きだけがグースカ眠っていたが、みんな二日酔いなのかダルそうにそれに目をやっていただけだった。

 

「朝メシ作っか」

 

jyoが先陣切ってそう言う。こういう時のjyoはけっこうかっこいい。ただ普段の言動が災いして、誰も評価しないだけだ。

朝メシと言っても、手元にあるのは前日のパーティで使われなかった卵だけで、できる料理と言えば目玉焼きくらいだ。
しかもバカみたいに紙皿を使ってしまったので容器はプラスチックのコップになった。

静かな森の中、卵が割られ、熱せられたフライパンの上に落とされる音だけがこだまする。

 

後年、TAKUはその時を回顧してこう言った。

 

「俺は、あの時ほど神聖な空気を味わったことがない」

 

洗いたての朝。研ぎ澄まされ、瑞々しい森の空気。静寂と木漏れ日。
青い顔をした面々。微笑しながら淡々と目玉焼きを作り、それをみんなのコップに入れていくjyo。
アンニュイな表情をしながら、煙草を片手にjyoの手つきを見守るシュガー。

静かだった。人の営みと、自然の営みが、あの瞬間たしかに重なり合い、たまらなく愛おしい気分になった。
何もかもが、本当に本当に美しくて、そして何かが絶対にズレていた。

この詩的なシーンは、今も僕の脳みそのいっちばん深いところに”かえし”付きでぐさりと突き刺さっている。そしてTAKUとこの事を話す場合、必ず大爆笑してしまう。

あの美しい空間、何もかもが瑞々しく、神に近づけたとさえ思えるあの空間で、やっていたことは目玉焼きをプラスチックのコップに入れ、醤油を垂らしてひと飲みで食べるというクッソシュールな行動
加えて背後には、やっと起きてきて機嫌悪そうにテントを畳む神引きの姿。

 

“神よ、あなたは祝福する相手を、きっと間違われたのだ。
だからこそ私たちは、あなたもまた完全ではないことを知り、
安心して明日も惰眠を貪れるのですね。アーメン。”

 

 

 

帰路

jyoの特製カップ目玉焼きを呑み込んだ僕たちは、片づけをしてから帰路についた。

郊外を離れ、街まで出てきた僕たちは速攻でコンビニに行ってサンドイッチとか食った。
森から離れると、急に人としての文化や営みを取り戻すようだ。

目玉焼きも絶品だったけど、やっぱサンドイッチとコーヒーには勝てなかった。

 

それからは何事もなく地元に帰ってきて、解散した。
このキャンプは、僕の大切な思い出としてずっと心に残っているし、これからも忘れることはないと思う。

 

golden_stonesよ、永遠なれ。

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