屹立する10本

3/20(金)

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仕事を終えた後、奥さんと共に身支度を整えて電車に乗り、繁華街の方へ移動する。
18時頃金沢駅に着き、クレープを食ったりお土産を買ったりして時間を潰す。

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同時に片っ端からおでん屋に電話をかけて予約を取り付けた。
おでん屋は当初別の店を考えてあったが、コロナの影響で当日予約のみだと言われていた。だから言われた通り当日に電話をかけたのだが、やっとつながったと思ったら既に満席で予約も埋まっていると言われたため断念。なんか約束が違わねーか?おい!こっちはゲスト招いてんねんぞ!
3~4軒ほど電話をかけたがどこも満席で予約が取れず焦ったが、一店舗だけ20時より可能と言われたため予約し、バスで繁華街へ向かった。

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そしてめでたく合流。会話に会話を重ね、もうほとんど会ったに等しいぐらいの親睦を深めていたつもりだったが、それでもやっぱり緊張した。鮭に「金丸!」と呼びかけられ、ドラゴンと握手を交わし、酒を注文して飲み始めた。
僕はといえば、無理に場を取り繕うようなこともせず、ごくごく自然体で飲めたと思う。向かいに座るお二人、ははん、なかなかどうして、仲の良いこってすなあ、と思いながら、僕も負けじと奥さんを指差して「見てみ。キュートやろ?」とのろけておいた。思い出すとちょっと恥ずい。いやだいぶ恥ずい。二人ともごめんな?
僕が踊り狂ってる動画をドラゴンに見せたら、ニコニコしながら「アホなことばっかしてんなぁ~」と言ってくれた。左様。ワタクシは常に愉快な人間でありたいので御座る。その為ならば斯様な尊厳など、エイ、この通り!(尊厳を地面に叩きつける)

2時間ほど飲み食いしたところで、バーへ移動する。ここらへんになってくるとみんなだいぶ酩酊してきたようで、けっこうナチュラルに下ネタとかを話すようになってきた。おでん屋で鮭と奥さんが「次バーでもいいけどさ、アホな話できなくない?」「静かなところはまずいよ」と会話していたのだが、現実、バーでも普通にアホな話をしていた。バーでも普通にアホな話をしていた。バーでもな。

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「結局は愛やねん」「愛なんだよ」「愛やな」とか口々に言い合い、よくわからん静謐な雰囲気をこしらえつつウィスキーのグラスを傾けるうち、ちょっと具合が悪くなってきたのでトイレに行ったら自然な形でリバースした。畜生、あれしきでこれかよ、と思いながらテーブルに帰ったら、酒に弱いと聞いていたドラゴンが普通にウィスキーをロックで飲みまくっていたので、いよいよ裏切られたような気分になった。おでん屋で「俺弱いねん」つったなぁ?!信じとったんになぁ?!「あっ、これ…なにこれ…イソジンの味すんで」とか言ってウィスキーをテイスティングしてる側でリバースしてる男がいたんだよ!知っとるなぁ?!知っとるなぁ?!!!?!?!

ちなみにここのお会計はすべてドラゴンが持ってくれた。カッコ良。でもゲストにお会計させるなんて、薄給もここまでくると罪。次に金沢来たときは、リムジンで迎えに行くからな!二人とも、遠路はるばる、わざわざありがとう!!

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(編集:鮭いくら)

記念撮影した後別れ、帰宅した僕と奥さんはシャワーを浴びた後速攻でベッドに倒れ込んだ。それでこの日は終わった。

3/21(土)

何時に目が覚めたかは覚えていない。とにかくフィルムを現像に出し、スーパーに買い物に行ってから、自宅でずっと映画を見て過ごした。
まず『メメント』を見、その後『ボーイズ’ン・ザ・フッド』を見た。メメントは、僕の好きな「登場人物の頭が最初から変な系」映画だったので面白かった。でもちょっと難解だったので、きれいに理解するためにはもう一回観る必要がありそう。
『ボーイズ’ン・ザ・フッド』は、先輩にオススメされていたもので、ようやく観たという感じだった。首をクネクネさせながら喋る黒人の女の子がやたらコミカルだったのをよく覚えている。ただ、僕としては、せっかくスラム街を舞台にするのだから、もっともっと陰鬱でゲットーな感じを出してほしかった。あとトレの父ちゃんはクッソいい奴。
ゴロゴロしていたら、Rから連絡があり、I、R、Y、N、僕の五人で焼き肉に行くことになった。
Iは3年前に神奈川に移住し、いろいろ頑張ってきた奴だったが、この度退職して金沢に戻ってくることになったらしい。貯金が400ほどあるので、これを元手に何か自分で商売を始めようと考えているそうで、素直に感動したし尊敬した。そのガッツと計画力があれば、ちょっとした田舎で名を馳せるぐらいはチョロいもんだろう。幼馴染としてこんな光栄な事はない。

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Nは途中から原チャリで合流し、22時過ぎにみんなを僕の家に招いた。ガヤガヤうるさい僕たちを快く受け入れてくれる奥さんには頭が上がらない。いつもありがとう。いやここに書くだけじゃ意味ねえな。
麻雀をするつもりが、やっぱり『絵伝言ゲーム』に没頭する。前回居なかったIが居るということで白熱した。そして僕はまた吐きそうなほど笑った。
スマブラして、牌を触って、お絵かきして、するうちに、時間は朝の4時。YとRはグロッキーになり、Yに至っては途中いびきをかいて寝ていた。さすがに泊まられては迷惑なので、なんとか起きて帰ってもらった。奥さん、重ね重ね申し訳ない。

3/22(日)

そして迎えた今日。12時起床。
奥さんの証明写真を撮りに行き、換毛期を迎えた愛犬をブラッシングするためのブラシを購入し、『醤油ソフト』に舌鼓を打ち、あとは家に引きこもる。

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『アメリカン・サイコ』という、これまた「登場人物の頭が最初からイカれてる系」の映画を見た。面白かった。
社会に於いて、男同士がマウントを取り合うというのは、もはや本能の類だと思っているけど、でもそれは大概ろくな結果を産まない。本能を拒絶していくのが現代社会であると言うのなら、人間の行く末とは一体なんだろう、とか、身も蓋もない事を考えては煙草を吸って過ごした。
奥さんが「ホタルイカを食いたい!どうしても食いたい!」と言い、「いいじゃん」とか適当なことを言っていたら、晩飯がすべてホタルイカでびっくりした。主食から主菜、副菜に至るまですべてホタルイカ料理で、「えっえっ」と狼狽していたら、申し訳なさそうな顔をしていた。美味かったけど。

それで今、風呂に入り、スピッツの『チェリー』を聞きながらこれを書いている。もうすっかり春になって、春嫌いの僕は気が滅入るばっかりだけど、ま、桜、好きに咲きなさい。勝手に満開、なってなさい。尻目に僕は煙草を呑む。どんどん呑む。それで今度こそはリバースしない。僕はずっと金沢に居る。

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