心はいつでもアバンギャルド

クラウドワークスで仮払いまで済んでいた案件をやすやすと手放した。帰宅して飯を食ってから1時間ほど寝た。今ほろ酔いのコーラを一缶飲み干してこれを書いている。ごてごてした装飾の無い日を送っている。洗練と見るか、凡庸と見るかは、それはまた別のお話。

へんな詩みたいなものが書けてちょっと満足している。妻は6年前のおれとのLINEを見返して、リビングで一人ゲラゲラ笑っている。当時のおれは本当にお金が無かったらしい。財布の中に8円しか無くて昼飯も食えなかったらしい。それでもずっと幸せだった。何がそんなに幸せだったか、持たざる者のこのおれが、一体何がそんなに幸せだったのか。馬鹿だからか。馬鹿だから必要なものが少ないのだ。街があって生活があって妻があって愛犬があって友があって、自分があって、意見があって思想があって詩があって、その上足りないものなんて、その上足りないものなんて何かあるかな。おれのような人間を羨ましがるやつはよほどセンスが無いと思うから、もっとしっかり自分の足で立った方がいいと思う。もしガチャでこの人生引いたとしたら、まあまあのハズレ案件だから。

健やかに生きてきた。本当だと思うものをたくさん見つけた。にせものも多かった。にせものに誑かされて発狂している人もたくさんいた。何か特別なことをした自覚はなく、ただ自分が面白いと思うものに忠実だった。そうやって生きてきて、今、仮払いまで済んでいた案件をやすやすと手放している……。

語るに足る人生が、この世にいくつあるかは知らない。誰しも凡庸で退屈な人生を歩んでいて、語るに足るものなんて、この世には本当は無いのかもしれない。でもそれだったら、せっかくだったら、誰しもが語るに足る人生であると、そう言える男でありたい。誰も死ななくていい。