七夕はとっくに過ぎたけれど

朝めし太郎を晩飯に持ってくるのは、午後ティーを午前に飲む背徳と似ていない。特に何もしていないにも関わらず敗走、みたいな得体の知れない屈辱感、要するに辛酸を舐めるようにして生活している。こういう時こそ心の余裕を忘れてはいけない。たとえば合流できなくて困ってる車があったら道を譲ってあげるとか。
自分のした努力を、その熱量を保ったまま他者に伝達するのはほぼ不可能に近い。そのことはもう知っているし、そもそもおれは共感なんてものに一ミリも価値を見出してない側の人間だから、わかってもらえなくて結構なんだけど、朝の8時から夜の19時までほぼノンストップで仕事してるのを「無駄な努力」と言われたのは、たとえ冗談でもさすがにちょっと頭にきた。理解されなかったことの悔しさではなくて、それ、あなたが言って良いことですか?という種類の苛立ち。誰も誰かの努力の方向や質量についてとやかく言う権利はないし、あるとしてもそれはかなりたくさんの前提を積んだうえでのことだと思う。ただ年上であるとか、肩書きがなんとなく優れているとか、その程度であげつらって良いものでは決して無い。こうしておれは大人がきらいな大人になってゆく。今更ホールデンを踏襲すんのはダサすぎるきらいがある。
キャンプの記録をしたためておきたいが、脳みそを雑巾絞りするだけの体力が残されていない。驚くべきことに、マイクラをやる体力すら枯渇している。せいぜい攻殻機動隊を流し見して、草薙素子かわいいなとか、草薙素子のおっぱいの形とサイズ作画ごとにぜんぜん違うなとか、もっと草薙素子の尻を見せろとか、公安9課イカしてんなとか、そういう印象を仕舞っておくぐらいしかできない。
神奈川に行った親友のIから久々に連絡が来た。朝の5時に。刃牙に出てくる烈海王が異世界転生する漫画があって、これなんやねんっていう連絡だった。朝の5時に起きていた理由は、仕事前に勉強をしているかららしい。おれはこいつを色々な面で尊敬している。こいつの持っていないものはすべておれが持っているし、それはこいつには決して手に入らないものばかりだけど、逆も然りだ。おれはあいつのように、誇り高く、矜持を持って、清潔に、生きることなどできないと思うし、生きたいとも思わない。おれたちはすっかり大人になってしまったし、昔のようにただ目の前の事象にかぶりついて生活することもできなくなった。おれには家族があるし、あいつにも生活や目標がある。このまま何者にもなれずに死ぬことに、やはりイエスと言えないおれが、儚い夢を抱つつも、こうして金沢の街に住んでいる。凡庸に。